vSphere インフラストラクチャのネットワーク構成は、2 段階のプロセスです。まず、vSphere ホストが接続される物理ネットワーク スイッチを構成し、その後 VDS を構成する必要があります。VLAN、ネットワーク アダプタ チーミング、および MTU など、物理スイッチおよび仮想スイッチ上で正しく構成しなければならない、主要なネットワーク パラメータがあります。
しかし、これらのパラメータが正しく構成されていないために、ユーザー環境内でネットワーク接続の問題が発生するというケースもあります。構成エラーによるネットワーク接続の問題は、多くの場合、特定が難しいものです。特に、ネットワーク管理者と vSphere 管理者がそれぞれ物理ネットワーク スイッチと vSphere ホストの管理所有権を別々に持っている組織がこれに該当します。vSphere の古いバージョンでは、物理スイッチと仮想スイッチにまたがるこのような構成エラーの解決に役立つツールがありませんでした。
健全性チェックによって特定される一般的な構成エラーの例は次のとおりです:
- vSphere Distributed Switch と物理スイッチ間の VLAN トランクの不一致。
- 物理ネットワーク アダプタ、Distributed Switch、物理スイッチ ポートの間の MTU 設定の不一致。
- 物理スイッチのポート チャネル設定に対する仮想スイッチのチーミング ポリシーの不一致。
vSphere 5.1/5.5 のネットワーク健全性チェックでは、定期的に次の 3 つのネットワーク パラメータを監視します。
- VLAN – vSphere Distributed Switch の VLAN 設定が近接する物理スイッチ ポート上のトランク ポートの構成と一致しているかどうか確認します。
- MTU – VLAN ごとの物理アクセス スイッチ ポートにおける MTU の設定が vSphere Distributed Switch の MTU 設定と一致しているかどうか確認します。
- ネットワーク アダプタ チーミング – 物理アクセス スイッチ ポートにおける EtherChannel 設定が Distributed Switch の分散ポート グループにおける IP Hash チーミング ポリシー設定と一致しているかどうか確認します。
構成チェックを実行するデフォルトの間隔は、1 分です。この通常の間隔で、VDS の物理アップリンク インターフェイスを介してレイヤー 2 イーサネットの調査パケットが送受信されます。物理アップリンク インターフェイスを通じて VDS に直接接続されているネットワーク デバイスの構成に応じて、REQ および ACK パケットが受信またはドロップされます。パケットがドロップされた場合は、構成の問題があるということであり、vSphere Web Client ビューに警告が表示されます。
ネットワーク健全性チェックを機能させるためには、次の要件を満たしていることを確認してください。
- VLAN および MTU のチェック – 少なくとも 2 つの物理アップリンクが VDS に接続されていること。
- チーミング ポリシーのチェック – チーミング内に少なくとも 2 つのアクティブなアップリンクが存在し、VDS 内に少なくとも 2 つのホストが
存在すること。
制限の詳細については、「Network health check feature limitations in vSphere 5.1 and 5.5 (2034795)」を参照してください。
vSphere Web Client での vSphere Distributed Switch 健全性チェックの有効化または無効化
注:
- 健全性チェックでは、vSphere Distributed Switch 構成における変更が監視されます。vSphere Distributed Switch 健全性チェックを有効化し、Distributed Switch 構成のチェックを実行する必要があります。
- 健全性チェックは、ESXi 5.1 以降の Distributed Switch においてのみ使用可能です。健全性チェックの情報は、vSphere Web Client 5.1 移行を通じてのみ、確認することができます。
vSphere Web Client での vSphere Distributed Switch 健全性チェックを有効化または無効化するには:
- vSphere Web Client で vSphere Distributed Switch に移動して参照します。
- 管理 タブをクリックします。
- 設定 をクリックしてから、健全性チェック をクリックします。
- 健全性チェックを有効または無効にするには、編集 をクリックします。
- ドロップダウン メニューから選択し、健全性チェック オプションを有効化または無効化します。
次のオプションが含まれています。
- VLAN および MTU – 分散アップリンク ポートおよび VLAN の範囲のステータスを報告します。
- チーミングおよびフェイルオーバー – ESXi とチーミング ポリシーにおいて使用されている物理スイッチとの構成の不整合をチェックします。
- OK をクリックします。
vSphere Distributed Switch 健全性チェック情報の表示
注: 健全性チェックを有効にすると、vSphere Distributed Switch 健全性チェック情報を vSphere Web Client に表示できます。
- vSphere Web Client で vSphere Distributed Switch に移動して参照します。
- 監視 タブをクリックし、健全性 をクリックします。
- 健全性ステータスの詳細のセクションで、これらのいずれか 1 つのタブをクリックし、健全性ステータスを表示します:
- VLAN
- MTU
- チーミングおよびフェイルオーバー