vSphere の 5.1 より前のバージョンでは、 1 つの操作で vCenter Server が Inventory Service とともに同じホスト マシン上にインストールされていました。Inventory Service には自動的なサイレント インストールが実行されていました。
vCenter Server 5.1 では、vSphere の小規模なデプロイを対象に、同一のホストまたは仮想マシン上に vCenter Single Sign-On、Inventory Service、vCenter Server をインストールする vCenter Server シンプル インストールというオプションが用意されています。
また、各コンポーネントの場所およびセットアップをカスタマイズする場合は、vCenter Single Sign-On、Inventory Service、vCenter Server の順序でそれぞれのインストール オプションを選択して、個別にインストールすることもできます。各コンポーネントは異なるホストまたは仮想マシンにインストール可能です。
vCenter Server を vCenter Single Sign-On とともに初めてインストールするときは、vSphere 環境に Single Sign-On サーバ、Inventory Service、vCenter Server をインストールする必要があります。vCenter Server を環境に 2 回目以降インストールするときは、Single Sign-On をインストールする必要はありません。1 台の Single Sign-On サーバが vSphere 環境全体に対応します。vCenter Single Sign-On を一度インストールしたら、新しい vCenter Server インスタンスをすべて同じ認証サーバに接続できます。ただし、vCenter Server インスタンスごとに Inventory Service インスタンスをインストールする必要があります。詳細については、次を参照してください。
3 GB.vCenter Single Sign-On データベースを同一のホスト マシン上で実行する場合は、メモリ要件が高くなる可能性があります。vCenter Single Sign-On を vCenter Server と同じホスト マシン上で実行する場合は、「vCenter Server の最小ハードウェア要件」を参照してください。
ディスク ストレージ
2 GB.同一のホスト マシン上で vCenter Single Sign-On データベースを実行する場合は、ディスク要件が高くなる可能性があります。
ネットワーク速度
1 Gbps
vCenter Server とは異なるホスト マシン上で動作する vCenter Inventory Service の最小ハードウェア要件
ご使用のオペレーティング システムが vCenter Server をサポートしていることを確認してください。vCenter Server には、64 ビットのオペレーティング システムが必要です。vCenter Server をデータベースに接続するためには 64 ビットのシステム DSN が必要です。サポートされているオペレーティング システムの一覧については、『VMware Compatibility Guide』 を参照してください。
VMware は、仮想化インフラストラクチャ環境の管理専用のシステム上に vCenter Server をインストールすることをお勧めしています。同一のシステム上にあるサードパーティおよび他のアプリケーションが共有リソースを利用し、パフォーマンスやサポートに影響することがあります。
注: VMware vCenter Server アプライアンスは、ESXi/ESX 4.x 以降を実行しているホストにのみデプロイできます。
インストール前のソフトウェア要件
vCenter Server には、Microsoft .NET 3.5 SP1 Framework が必要です。ご使用のシステムにインストールされていない場合は、vCenter Server インストーラでインストールされます。NET 3.5 SP1 のインストールでは、ファイルをさらにダウンロードするためにインターネット接続が必要になる場合があります。
注: vCenter Server ホスト マシンで英語以外のオペレーティング システムを使用する場合は、Windows Update から Microsoft .NET Framework 3.5 SP1 と Microsoft .NET Framework 3.5 言語パックの両方をインストールしてください。Windows Update では、ご使用のオペレーティング システムに適した言語バージョンが自動的に選択されます。vCenter Server インストーラでインストールされる .NET Framework には英語版しか含まれません。
vCenter Server にバンドルされている Microsoft SQL Server 2008 R2 Express データベースの使用を計画している場合は、システムに Microsoft Windows インストーラ バージョン 4.5 (MSI 4.5) が必要です。MSI 4.5 は、Microsoft の Web サイトからダウンロードできます。また、vCenter Server の autorun.exe インストーラから MSI 4.5 を直接インストールすることもできます。
vCenter Server および vCenter Single Sign-On データベースのセットアップ
vCenter Server の各インスタンスにはそれぞれデータベースが必要です。vCenter Server インスタンスが同じデータベース スキーマを共有することはできません。複数の vCenter Server データベースを同一のデータベース サーバに常駐させることも、複数のデータベース サーバに別々に配置することも可能です。スキーマ オブジェクトという概念のある Oracle データベースについては、vCenter Server インスタンスごとにスキーマ所有者が異なる場合、複数の vCenter Server インスタンスを単一のデータベース サーバで実行できます。また、vCenter Server インスタンスごとに専用の Oracle データベース サーバを使用することも可能です。
vCenter Server のインストールの目的で、新しいデータベース サーバをインストールする必要はありません。vCenter Server のインストール時、vCenter Server システムに、サポートされている既存のデータベースを参照させることができます。vCenter Server は、IBM DB2、Oracle、および Microsoft SQL Server のデータベースをサポートしています。Update Manager は、Oracle および Microsoft SQL Server のデータベースをサポートしています。サポートされているデータベース サーバのバージョンについては、『VMware Product Interoperability Matrix』 を参照してください。
ご使用の vCenter Server データベースがデータベース要件を満たしていることを確認します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「vCenter Server データベースの構成に関する注意事項」 および 「vCenter Server データベースの準備」 を参照してください。
バンドルされたデータベースをインストールする場合を除き、vCenter Single Sign-On データベースを作成する必要があります。vCenter Single Sign-On でサポートされるデータベース バージョンについては、『VMware Product Interoperability Matrix』を参照してください。
vCenter Single Sign-On に既存のデータベースを使用する場合
データベース ユーザー(RSA_USER)およびデータベース管理者(RSA_DBA)を指定して、Single Sign On データベースのインストールおよび設定で使用することができます。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「必須の vCenter Single Sign-On データベース ユーザー」 を参照してください。
このオプションを選択する場合は、インストーラを実行する前にこれらのユーザーを作成します。必要な権限のリストについては、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「必須の vCenter Single Sign-On データベース ユーザー」 を参照してください。
このオプションを選択しない場合は、インストール プロセス中に指定するデータベース管理者の認証情報を使用して、インストーラがそれらのユーザーを作成します。指定するデータベース ユーザーに必要な権限があることを確認します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』の「vCenter Single Sign-On でデータベース管理者に必要な権限」を参照してください。
Error 29119, Required Tablespaces missing during the installation of vCenter Single Sign On.
データベースにテーブル スペースが作成されていることを確認し、次のスクリプトを実行します。
rsaIMSLite<DBName>SetupTablespaces.sql
このスクリプトは vCenter Server インストーラのダウンロード パッケージ(vCenter_Server_Installation_directory\Single Sign On\DBScripts\SSOServer\Schema\your_existing_database)に含まれます。このスクリプトは、インストール前、またはインストール中にインストーラのプロンプトに従って実行します。その場合、インストーラを終了してスクリプトを実行し、スクリプトの実行後にインストーラをレジュームします。
このオプションを選択しない場合は、インストール プロセス中に指定するデータベース管理者の認証情報を使用して、インストーラがそれらのユーザーを作成します。指定するデータベース ユーザーに必要な権限があることを確認します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』の「vCenter Single Sign-On でデータベース管理者に必要な権限」を参照してください。
注:
Microsoft SQL Server 2008 R2 Express は、ホストが 5 台以下、仮想マシンが 50 台以下の小規模なデプロイでの使用を意図しています。
vCenter Server では IBM DB2 データベースのみがサポートされています。Update Manager またはデータベースを必要とするプラグインは一切サポートされていません。
保持する vCenter Server データベースがある場合は、vCenter Server の新規インストールを実行しないでください。詳細については、『vSphere Upgrade Guide』を参照してください。
vSphere ネットワーク上の時計の同期
vCenter Single Sign-On をインストールする前に、vSphere Web Client をインストールするか、vCenter Server Appliance をデプロイして、vSphere ネットワーク上のすべてのマシンの時計が同期していることを確認します。
vCenter Server ネットワークのマシン上の時計が同期されていないと、ネットワークのマシン間の通信で、時間の影響を受ける SSL 証明書が有効と認識されない可能性があります。時計が同期していないために認証の問題が生じ、そのために vSphere Web Client のインストールに失敗したり、vCenter Server Appliance の vpxd サービスが起動しなかったりすることがあります。
ローカル データベースと通信するための vCenter Server の構成
vCenter Server をインストールまたは vCenter Server にアップグレードするマシンには、最大 15 字のコンピュータ名が必要です。vCenter Server のインストール先と同じマシン上にデータベースがあり、そのマシン名を名前の長さの要件にしたがって変更した場合は、vCenter Server DSN がマシンの新しい名前を使用して通信するように構成されていることを確認します。
vCenter Server のコンピュータ名を変更すると、データベース サーバが vCenter Server と同じコンピュータ上にある場合、データベース接続に影響を与えます。マシン名を変更した場合、通信が維持されていることを確認できます。名前を変更しても、リモート データベースとの通信には影響を与えません。データベースがリモートの場所に置かれている場合は、この手順を省略できます。
注: 名前の長さの制限は vCenter Server システムに適用されます。データ ソース名(DSN)およびリモート データベース システムには、15 文字以上の名前を付けることができます。
バンドルされている Microsoft SQL Server 2008 R2 Express データベース パッケージ
vCenter Server のインストール時またはアップグレード時にデータベースとしてバンドルされている Microsoft SQL Server 2008 R2 Express を選択すると、そのバンドルされているデータベース パッケージのインストールと構成が行われます。
バンドルされている Microsoft SQL Server 2008 R2 Express データベースをインストールするには、システムに Microsoft Windows Installer バージョン 4.5 (MSI 4.5) が必要です。MSI 4.5 は、Microsoft の Web サイトからダウンロードできます。vCenter Server autorun.exe インストーラから直接 MSI 4.5 をインストールすることもできます。
vCenter Server と連動する DB2、Microsoft SQL Server、Oracle データベースの構成の詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』の「vCenter Server データベースの準備」を参照してください。
vCenter Server の前提条件
vCenter Server をインストールする前に、『vSphere Installation and Setup Guide』の「vCenter Single Sign-On、Inventory Service、vCenter Server のインストールの前提条件」を参照してください。
vCenter Server 5.1 には、vCenter Single Sign-On および Inventory Service が必要です。これらのコンポーネントは次の順序でインストールする必要があります。
vCenter Server インスタンスを、スタンドアロンにするか、リンク モード グループの一部にするかを検討します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「vCenter Server のリンク モード グループの作成」 を参照してください。
vCenter Server インストール ウィザードで必要となる情報を収集します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「vCenter Single Sign-On、Inventory Service、vCenter Server のインストールまたはアップグレードに必要な情報」 を参照してください。
インストール DVD が手元にあることを確認するか、vCenter Server インストーラをダウンロードします。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』の「vCenter Server インストーラのダウンロード」を参照してください。
システム要件
ご使用のシステムが、上記の vCenter Server、vCenter Single Sign-On、vSphere Client、vSphere Web Client のハードウェア要件と vCenter Server のソフトウェア要件に記載の要件を満たしていることと、必要なポートが開いていることを確認します。詳細については、Required ports for vCenter Server 5.1 (2031843) を参照してください。
vCenter Server をインストールするシステムの完全修飾ドメイン名 (FQDN) が解決可能であることを確認します。FQDN が解決可能であることを確認するには、コマンド プロンプトで nslookup your_vCenter_Server_FQDN を実行します。FQDN が解決可能な場合は、nslookup コマンドによってドメイン コントローラ マシンの IP と名前が返されます。
vCenter Server の IP アドレスで照会したときに、DNS の逆引き参照で完全修飾ドメイン名が返されることを確認します。vCenter Server のインストール時に、インストーラが vCenter Server の IP アドレスを基に vCenter Server の完全修飾ドメイン名を検索できないときは、vSphere Client をサポートする Web サーバ コンポーネントのインストールに失敗します。リバース ルックアップは PTR レコードを使用して実装されます。PTR レコードを作成するには、vCenter Server ホストのオペレーティング システムのドキュメントを参照してください。
vCenter Server をインストールしているマシンのホスト名が RFC 952 ガイドラインに準拠していることを確認します。
vCenter Server のインストール パスは、Microsoft Active Directory Application Mode (ADAM/AD LDS) のインストール要件に適合していなければなりません。インストール パスには、ASCII 以外の文字、コンマ (,)、ピリオド (。)、感嘆符 (!)、シャープ記号 (#)、アット記号 (@)、パーセント記号 (%) などの文字を含めることはできません。
vCenter Server システムとその管理対象となるホストの間にネットワーク アドレス変換 (NAT) が配置されていないことを確認します。
vCenter Server のインストールに使用するシステムがドメインではなくワークグループに属する場合は、vCenter Server の一部の機能を利用できません。ワークグループに割り当てられている場合は、特定の機能の使用時に、vCenter Server システムがネットワーク上で利用可能なすべてのドメインおよびシステムを検出できません。システムがワークグループとドメインのどちらに属しているかを判断するには、マイ コンピュータ を右クリックし、プロパティ をクリックしてから コンピュータ名 タブをクリックします。コンピュータ名 タブに、ワークグループ ラベルまたはドメイン ラベルのいずれかが表示されます。
インストール時にマシンとドメイン コントローラ間の接続が機能していることを確認します。
コンピュータ名が 15 字以内であることを確認します。
vCenter Server がインストールされているフォルダと HKLM レジストリに、NETWORK SERVICE アカウントが必要です。
vCenter Server をインストールする前に、vCenter Server を登録する vCenter Single Sign-On インスタンスの 管理ツール コントロール パネルで、vCenter Single Sign-On および RSA SSPI サービスが開始されていることを確認します。
vCenter Server をインストールしているシステムが、Active Directory のドメイン コントローラでないことを確認します。vCenter Server のドメイン コントローラへのインストールはサポートされていません。
vCenter Server を実行している各システムで、ドメイン ユーザー アカウントに次の権限があることを確認します。
管理者グループのメンバー
オペレーティング システムの一部として動作
サービスとしてログオン
vCenter Server インスタンスを、スタンドアロンにするか、リンク モード グループの一部にするかを検討します。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「vCenter Server のリンク モード グループの作成」 を参照してください。
他のネットワーク サーバと同様に、固定 IP アドレスと一般的に知られている DNS 名のあるマシンに vCenter Server をインストールし、クライアントがサービスに確実にアクセスできるようにします。vCenter Server システムをホストする Windows サーバに、静的 IP アドレスとホスト名を割り当てます。この IP アドレスには、有効な (内部の) ドメイン名システム (DNS) への登録が必要です。ESXi ホスト管理インターフェイスに、vCenter Server とすべての vSphere Client からの有効な DNS 解決があることを確認します。vCenter Server に、すべての ESXi ホストとすべての vSphere Client からの有効な DNS 解決があることを確認します。vCenter Server に静的 IP アドレスではなく DHCP を使用する場合は、vCenter Server のコンピュータ名がドメイン名システム (DNS) 内で更新されていることを確認します。コンピュータ名を ping して、この接続をテストします。たとえば、コンピュータ名が host-1.company.com の場合、Windows コマンド プロンプトで次のコマンドを実行します。
ping host-1.company.com
コンピュータ名を ping 送信すると、その名前が DNS で更新されます。
ユーザー アカウントを使用した vCenter Server の実行
Microsoft Windows に組み込のシステム アカウントまたはユーザー アカウントを使用して、vCenter Server を実行できます。ユーザー アカウントを使用すると、SQL Server に Windows 認証を有効にでき、セキュリティが強化されます。
ユーザー アカウントは、ローカル マシンのシステム管理者でなければなりません。インストール ウィザードで、アカウント名を DomainName\Username 形式で指定します。ドメイン アカウントが SQL Server にアクセスできるように SQL Server データベースを構成する必要があります。
Microsoft Windows に組み込みのシステム アカウントには、サーバに対して vCenter Server システムが必要とする以上の権限やアクセス権があるため、セキュリティの問題が生じる可能性があります。
SQL Server の DSN が Windows 認証を使用して構成されている場合は、VMware VirtualCenter Management Webservices サービスと DSN ユーザーに同一のユーザー アカウントを使用します。
SQL Server に Microsoft Windows 認証を使用する予定がない場合や、Oracle や DB2 のデータベースを使用している場合でも、vCenter Server システム用にローカルのユーザー アカウントを設定したほうがよい場合があります。この設定の唯一の要件は、ユーザー アカウントがローカル マシンのシステム管理者であることです。
注: vCenter Server のインスタンスをローカルの SQL Server データベース上に統合 Windows NT 認証を使用してインストールし、統合 Windows NT 認証ユーザーを vCenter Serve と同じデフォルトのデータベースのあるローカル データベース サーバに追加すると、vCenter Server が起動しないことがあります。詳細については、『vSphere Installation and Setup Guide』 の 「ローカル SQL Server データベース上に統合 Windows NT 認証を使用してローカル システム アカウントとしてインストールされた vCenter Server の起動の失敗」 セクションを参照してください。
vCenter Server の IPv6 マシンへのインストール
IPv6 を使用するように構成されているシステムに vCenter Server をインストールすると、vCenter Server は IPv6 を使用します。この vCenter Server システムに接続する場合、または追加モジュールをインストールする場合、サーバ アドレスを IPv6 形式で指定する必要があります (ただし、完全修飾ドメイン名を使用する場合を除きます)。