STP は、環境でループが発生するのを回避するために使用されます。ポートの状態が上がるたびに、STP の計算が発生します。計算の結果として、スイッチ ポートはフォワーディングに設定されるか、トラフィック ループを防ぐためにブロック状態に設定されます。STP トポロジ コンバージェンスには次の 4 つの状態があります。
STP コンバージェンスは、開始すると、STP ドメイン内のすべての物理スイッチにフォワーディング テーブルを強制的に破棄させて、STP トポロジと MAC アドレスを再学習させます。このプロセスには 30 ~ 50 秒ほどかかります。この期間中、ユーザー データはポートを通過しません。一部のユーザー アプリケーションは、この期間中にタイムアウトとなる場合があります。STP ドメインがこのコンバージェンスを完了すると、接続が復旧します。
STP コンバージェンス中に 30-50 秒間の切断を防ぐには、次のいずれかのオプションを実行します。
- ESXi/ESX ホストのネットワーク アダプタに接続されているすべてのスイッチ ポートの STP を Portfast に設定します。
Portfast に設定すると、ポートはただちにフォワーディング状態に設定され、ESX/ESXi ホストで発生して STP トポロジに影響するリンク状態の変更を防ぐことができます。STP を Portfast に設定すると、30-50 秒のネットワークの切断を防ぐことができます。
STP を Portfast に設定するコマンドは、スイッチのモデルによって異なります。モデルやベンダーによってコマンドが異なるため、同じ構成にする方法の詳細については、物理スイッチのベンダーにお問い合わせください。
例:
スイッチの STP を Portfast に設定するには、スイッチのモデルに応じて、次のコマンドを実行します。
- CISCO-IOS
spanning-tree portfast (for an access port)
spanning-tree portfast trunk (for a trunk port)
- NX-IOS
spanning-tree port type edge (for an access port)
spanning-tree port type edge trunk (for a trunk port)
- Dell スイッチで STP を Portfast に設定するには、次のコマンドを実行します。
spanning-tree portfast
- HP スイッチは、Portfast や RSTP と同様に機能する admin-edge-port という機能を使用します。
admin-edge-port を有効にするには、次のコマンドを実行します。
spanning-tree port-list admin-edge-port
- STP を無効にするには
通常、STP を無効にすることはお勧めしません。ただし、この問題の発生を防ぐには、STP を無効にする必要があります。STP を無効にする前に、スイッチのベンダーにお問い合わせください。
STP を無効にするコマンドは、スイッチによって異なります。詳細については、スイッチのベンダーにお問い合わせください。
例:
Nortel スイッチで STP を無効にするには、次のコマンドを実行します。
config ethernet stg stp disable