すべての VMFS (vmfs2, vmfs3, vmfs5, vmfs6) は、仮想マシンが正しく機能するように、一定レベルの空き領域を保持する必要があります。これらの容量のしきい値が満たされていることを確認してください。
200 MB のキャパシティ | ESX のシステム アドミニストレータがキャパシティ問題の解決を図る際の推奨しきい値は 200 MB です。VMFS ボリュームのサイズは幅広くあるため、正確な比率を定義するのが不可能ですが、この時点で予期しない問題発生のリスクが 高くなります。 |
残り 100 MB | 確認がなされない場合、VMFS ボリュームがわずか 100 MB が残っている時点まで拡張されると、様々な問題が発生する可能性があります。残り 100 MB の時点で VMware VMFS が拡張しなくなるため、ESX のシステム アドミニストレータがすぐに問題を解決するの重要なしきい値です。 |
詳細については、「VMFS データストア キャパシティの増加 」および「VMFS ボリュームやデータストアを拡大または拡張できない」を参照してください。
次に記載されているのが、スペースがない VMFS に配置されている仮想マシンに発生し得る問題のリストです。
仮想マシンの起動失敗 | ESXi ホストは、サーバにインストールされている物理 RAM より多くの RAM を提供することができます。 これはオーバー コミットメントと呼ばれています。ESXi ホストは、割り当てメモリが仮想マシンで使用可能な物理 RAM よりも大きい仮想マシンに対して .vswp ファイルを作成します。<仮想マシン名>.vswp ファイルは、仮想マシンの起動時に作成されます。十分な空き容量がないと、このファイルが作成されず、仮想マシンが起動できません。詳細については、「ESX Virtual Machine Won't Start (Insufficient Memory) (1330) 」を参照してください。 |
VMotion の失敗 | VMware HA/DRS が有効になっているクラスタ内の ESXi ホストでは、vMotion が仮想マシンを別のホストに移行しようとしたときに失敗する可能性があります。VMware DRS は管理者が操作しなくても仮想マシンを vMotion するように構成できるため、障害としてすぐには認識されない営業時間外に発生する可能性があります。 |
スナップショットの作成/コミット | スナップショットが作成されたり、仮想マシンにコミットするときに、データが VMFS に書き込まれます。VMFS が追加のデータを書き込めない場合、スナップショットは拡張しない、保存されない、あるいはコミットされません。その結果、仮想マシンに障害が発生する可能性があります。 |
パフォーマンスの低下 |
VMware VMFS は、ファイル システムであるため、スペースがいっぱいになると、ファイルコピー、 注: VMFS のようなジャーナル処理のファイル システムは通常、フル キャパシティに近い状況でも適切なパフォーマンスを維持できます。ただし、ファイル システムの使用領域が 100 パーセントになると、パフォーマンス問題の発生率が非常に高くなります。 |
予測不可能性 | VMFS は ESXi ホストの根本要素であるため、ファイル システムがいっぱいになると、どのような問題が発生するかを正確に予測することは困難です。トラブルシューティングやシステムの運用を効率的に行うために、VMFS を前述のしきい値以内に維持してください。 |
注: これはすべての発生する可能性のある問題を網羅したものではありませんが、過去に報告された VMFS がいっぱいになったときの重要な問題点を示しています。